【症例紹介:乳び胸】
乳び胸について
『呼吸があらい』『ハァハァする』などの様子が見られたら、
呼吸器・心臓の問題であるケースが多いです。
それらは、レントゲン・超音波検査でおおよその推測をまずたてることができます。
今回の症例はチワワ、6歳、今は比較的おちついてるが、2ヶ月前から呼吸があらく、
胸水がたまっているとの事で来院されました。
乳び胸とは
胸水とは肺、心臓がある胸部に水がたまっている事です。
胸水の原因は、心臓だったり、低蛋白だったり、腫瘍や炎症が潜んでいたり・・・
などといろいろな原因が考えられます。
胸水の性状検査が非常に重要になってきます。
今回取れた水はこれ!(下図画像参照)
白くにごった水です。
このような水がたまっていると肺のまわりに水があることになるので、
非常に苦しいです。
いいかえればおぼれているようなものです(苦しいですね)。
この水を比重(うすさ)、タンパク、細胞などをみていくと
『乳び』の可能性が高くなりました。
乳びは、血液中と胸水中のコレステロールと中性脂肪をはかることによって
確定診断できます。
結果、『乳び胸』である事が確定しました。
乳びとは『リンパ液』であり、心臓病がありたまることもありますが、
今回は超音波検査で心臓病を否定できましたので、
『特発性』乳び胸という一番原因として多いものになりました。
処置について
乳び胸は内科治療と外科治療の治療法がありますが、
まず内科治療をはじめていきます。
『ルチン』とよばれるサプリメントや低脂肪食を食べることによって、
乳び胸を改善する事ができる可能性があります。
胸水は様々な原因によって起こりますので、
大切なのは、
呼吸がはやい≠心臓病
胸水≠ガン、心臓病
という事ですので、きっちり確定診断をしてあげて、
より苦しくなく過ごせるようにしてあげたいですね。
チェルシーアニマルクリニック
院長 小池 博行
富山市のチェルシーアニマルクリニックでは、ワクチンなどの予防医療や一般医療はもちろん、無麻酔CT検査や整形外科治療の症例実績も豊富にあります。些細なことでもセカンドオピニオンでも構いません。まずはお気軽にご相談ください。
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