【症例紹介:口内炎(猫)】
口内炎について
ネコちゃんを飼われてる方で時々起こるのが、口内炎。
程度はそれぞれで、軽度から重度、難治性まであります。
主な口内炎の原因は歯石に伴い、歯肉炎、口内炎が生じるケース。
歯周病も若干あるが、この程度では、歯石除去、場合によっては抜歯で十分対応できます。
症例について
今回の症例は重度口内炎。
すでに他院で臼歯(おくば)部分を全て抜歯したものの、重度の口内炎で、
痛くて泣く、食欲がおちるとの事で来院されました。
ネコちゃんの重度口内炎は非常にやっかいで、
・歯周病が原因であるもの(アンキローシス、ネックリージョン併発)
・根底に感染症があるもの(白血病、エイズ)
などがあります。
特に歯周病が原因である場合、よく起こりうるのが歯の取り残し、
上記のように、アンキローシス(骨性癒着)を起こしているので、
抜歯が難しく、残根が残ってしまうケースもあります。
そのまま残根が残ったまま、麻酔処置が終了してしまうと、
口内炎は治りません。
今回も再度、麻酔かけて確認かねて処置をする提案をしましたが、
今回は希望されず、根底に感染症がないか確認をしました。
結果はエイズ陽性。
口内炎の中でも非常にコントロールしにくい部類に入ります。
治療としては炎症のコントロールで、
ステロイド、非ステロイド系抗炎症剤、
二次感染防止のための抗生物質、
マキシガード、バイオティーンなどの薬剤、
インターフェロン療法、
これらの組み合わせになります。
ただ口内炎といっても程度も様々、治療方法も様々ですので、
よだれが出る、口を気にする、痛がるなどの症状が見られたら動物病院にご相談ください。
チェルシーアニマルクリニック
小池 博行
富山市のチェルシーアニマルクリニックでは、ワクチンなどの予防医療や一般医療はもちろん、無麻酔CT検査や整形外科治療の症例実績も豊富にあります。些細なことでもセカンドオピニオンでも構いません。まずはお気軽にご相談ください。
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