症例紹介:猫伝染性腹膜炎(FIP)
冬の誘いが樹木にあらわれ、寒い季節がやってまいりました。
今回の症例紹介は猫伝染性腹膜炎です。
猫ちゃんをこの病気で過去なくしてしまった方は少なくないと思います。
この病気はコロナウイルスとよばれるウイルスにより感染したことで起こる病気です。
コロナウイルスの中に、腸コロナウイルスとFIPウイルスが存在しており、
腸コロナウイルスがFIPウイルスに変化することで感染が成立するとこの病気になる事がわかってきています。
この病気はウェットタイプとドライタイプと2パターン存在しており、
ウェットタイプはその名の通り水、つまり腹水(おなかに水)がたまってしまいます。
一方、ドライタイプは眼や脳がおかされますが、一般的にはウェットタイプの方が多いように感じています。
では猫ちゃんが腹水たまったらこの病気かといわれると、決してそうではありません。
腹水がたまる病気には腫瘍から炎症、感染、心臓、低タンパクなど様々です。
この腹水の原因は腹水を抜いて検査する事で診断ができます。
ではこの猫伝染性腹膜炎の治療はというと、、、
どれもこれも非常に成績が悪いです。
ステロイド、抗生剤、インターフェロン。
これらの組み合わせやその他の補助療法を行いながら経過を見ていく事になります。
今新薬のような非常に高い薬も出始めていますが、、、
病気の早期発見は非常に大事で、
この病気が早期に分かった患者様でもう数年すごしている子もいます。
いかに早く発見してあげるために少しの体調の変化を見つけてあげるように、
よく体をさわったり、食欲や元気など様子観察をしてあげてくださいね。
チェルシーアニマルクリニック
小池 博行