症例紹介:クッシング症候群
クッシング症候群とは
こんにちは。
今回の症例はクッシング症候群。
ワンちゃんで時々ある病気の1つです。
動物の多飲多尿(いっぱいお水を飲んでいっぱいおしっこする)を引き起こす病気は色々あって、
腎臓病、肝不全、糖尿病、尿崩症、甲状腺機能亢進症、クッシング症候群などがあります。
このクッシング症候群とは別名副腎皮質機能亢進症と呼ばれ、
腎臓の近くにある副腎という臓器が(アドレナリンやステロイドホルモンを出すところです)大きくなってしまう病気です。
このクッシング症候群になると、多飲多尿以外に、皮膚病、多食など様々な症状が起きます。
どうやって診断できるかというと、
血液検査で、肝酵素数値上昇や、ホルモン異常(ACTH検査など)、
エコー検査で、副腎腫大を発見し診断していきます。
この病気の場合の副腎という臓器は脳の中にある下垂体と呼ばれる場所からの刺激で大きくなります。
クッシング症候群の症例紹介
今回の写真の症例では、
多飲多尿(1日1リットル!)が気になって来院され、
血液検査で、肝臓数値上昇、ACTH刺激試験でも高いホルモン値を引き起こしており、
CT造影検査で頭蓋骨の中の下垂体腺腫を発見できました。
多飲多尿や皮膚病が治らないなどの場合はこのクッシング症候群の可能性もあるので、
あやしいと感じた方は一度ご相談ください。
チェルシーアニマルクリニック
小池 博行