2014.09.21
整形外科・神経科
【症例紹介:口蓋裂】
生まれてすぐにわかる先天性の病気の一つが口蓋裂(こうがいれつ)。
口蓋というのは硬口蓋(こうこうがい)、軟口蓋(なんこうがい)とあります。
自身のベロで上の方を触ってみると分かりますが、先端の方が硬口蓋、
のどの方に近づくとやわらかい軟口蓋と続いていきます。
写真でみてわかるように、真ん中に一本溝ができていますが、これが口蓋裂。
ここが開いているとそのおくの場所が鼻であるために、
食事が 鼻→気管→肺と入ってしまうと肺炎を引き起こします。
今回の症例はM・シュナウザー、3ヶ月。
以前帝王切開で生まれた子の1頭です。
口蓋裂の場合、強制給餌(チューブフィーディング)にて飼い主さんに管理してもらう必要があります。
しかし、口蓋裂の子は、育たないケースが多く、手術まで至らない場合も少なくありません。
もちろんその前に肺炎になったりして残念ながら亡くなってしまう場合もあります。
今回は飼い主さんに非常にがんばってもらい手術ができるサイズまで育ちました!
無事口蓋裂整復ができたので、
あとしばらくチューブフィーディングで管理してもらえれば自力採食に切り替えられます。
どんどん自力採食して、大きくなってくださいね!
チェルシーアニマルクリニック
小池 博行